交通事故は、日常的に起こり得る、それでいてダメージの大きいアクシデントです。それは怪我などの肉体的損傷だけではなく、経済的、ときには精神的にもたいへん辛いものとなります。この際の示談交渉は、加害者と直接行うよりも、保険会社を通じて行うことが一般的です。しかし、ここにはある問題があります。相手は営利企業である以上、損失となる保険金の支払いを、可能な限り抑えようとするものです。そのため、威圧的な態度に終止することもあり、交渉の打ち切りさえ促そうとしてきます。相手はプロフェッショナルだけに、あらゆる手を打ってきますので注意が必要です。話し合いの際、あまりにも酷い場合は録音しておくことで、証拠を押さえることができます。とはいえ、担当者のペースに呑まれたまま、安い賠償金で決着してしまう事例も、跡を絶ちません。中には、まったく支払われなかったというケースもあるため、こちらも厳格な対処が必要となります。

一般人がとれるもっとも効果的な手段は、弁護士に相談することです。本来、賠償金を不当に抑えようとするのは、正当な行為とはいえません。そこを指摘して、交渉を有利に進めることが、法律の専門家が果たす役割になります。今は、弁護士事務所の無料相談なども多く、気軽に利用することができますので、あらかじめ把握しておくべきです。相談するときに、録音していたスマートフォンなどを持参することも賢い方法です。任意保険の中には、被害者になった場合の弁護士特約がついているものもあります。これを契約していれば、金銭的な負担を抑えつつ弁護士に相談できますから便利です。こうした依頼は、示談が決着してしまえば無意味になりますから、早めに実施していきましょう。